2017年8月21日月曜日

密室ミステリーを読んでみよう


推理小説や2時間推理ドラマにはよく「密室」が登場する。但し、2時間ドラマと言っても1時間半でおわってしまうものもある。深く追求してはいけない。テレビ局の事情というのがあるのだ。

密室というのはどんなものであろうか。簡単に言えば、誰も入れない部屋のことである。誰も入れない部屋で、男女が裸でというのはポルノ小説である。そういうのも好きな人はおられるだろうが、ちょっと横に置いといてもらおう。推理小説の話である。だから、部屋が密室であっても人間が出入りできなければよい。蟻のはい出る隙間ぐらいはあってもよい。ゴキブリの入り込む隙間があっても構わない。

密室で不思議なことはいくつかある。犯人は部屋の中にいて、鍵を開けられてからいかにも部屋の外にいたように思わせることがある。それはそれでいいのだが、密室内にいる犯人はトイレはどうしているのだろうと時々考えてしまう。室内にトイレがあっても、簡単に使う訳には行かない。水を流す音がすれば、隣の部屋に聞こえるかもしれない。臭いや形や大きさでバレてしまうかも知れない。

密室殺人は、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」が最初と言われている。日本でも多くの密室ものが書かれているが、密室トリックはもう出尽くしたとさえ言われている。どうも2時間ものの密室はいい加減なものが多い。多くはすでに誰かが書いたものを焼き直したものが多い。酷いのになるとB級推理小説のトリックをそのまま流用(簡単に言えばパクリ)したものまである。

しかしまあ、「なんで密室にしたのかなあ」と思えるものが結構ある。密室を作るのに一生懸命で山ほど証拠を残している犯人とか(なぜか警察は見つけないんですが)。密室にすればなんとなくトリックを使っている感じであるのだろう。簡単に言えば何も考えていないのだ。推理小説をそのままドラマ化した方が、よっぽどいいものができると思うのだが。

日本の密室ものをいくつか紹介しますが、あまり新しいのは読んでないのでわかりません。それから、別にランキングというわけではない。但しネタばらしもあるかも知れないので、注意して下さい。

本陣殺人事件横溝正史
横溝正史の代表作の一つであるが、戦時中の作品で紙が少なかったころの作品であり、長編というより中編の長さになっている。非常に日本的な密室の作りになっている。
姑獲鳥の夏京極夏彦
映画化したので知っている方も多い。オカルトっぽい内容でありその流れで読めるが、少し反則系の作品である。とにかくおもしろいが京極夏彦は長い。
すべてがFになる (講談社文庫)森博嗣
森博嗣のデビュー作である。テレビで放送されたのでご存知の方も多い。森博嗣は元名古屋大学助教授で工学博士であり、「理系ミステリー」と言われている。
翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件(麻耶雄嵩)
麻耶雄嵩のデビュー作である。反則ギリギリのところを狙っているようだ。私は好きですが、結構好き嫌いのはっきりした作品であるようだ。
虚無への供物中井英夫
長い小説である。少し読みづらい人がいるかも知れない。密室はメーントリックではない。どのようなものを書きたかったのかは最後まで読まないと分かりにくい。
斜め屋敷の犯罪島田荘司
島田荘司の2作目だが、1作目「占星術殺人事件」の影にかくれている少し不遇な作品である。あちこちに罠が仕掛けられており、楽しく読むことができる。
刺青殺人事件高木彬光
日本家屋の中で鍵のかかった浴室で起こった密室をテーマにしている。高木彬光の代表作である。
十角館の殺人綾辻行人
綾辻行人のデビュー作である。いろいろなトリックが仕掛けられている上、推理小説研究会のメンバーのニックネームが推理作家になっている。

あんまり読んでなくてごめんなさい。
推理小説を読んで寝不足にならないようにしましょう。




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