2017年8月16日水曜日

「方程式」ではなく「方程式もの」はSF


知っている人は知っている。知らない人は知らない。SFものの一群の短編小説の中に「方程式もの」というジャンルがある。私もいくつかは読んだ。一番最初の葉「冷たい方程式」という1954年、トム・ゴドウィンによって発表された短編SFである。SF小説の中で最も注目すべき作品として、後世に大きな衝撃を残した作品である。

設定は次のようなものである。
・宇宙船は、イスカンダル星にコスモクリーナーを取りに行くといったような、何らかの要件で航行している。
・宇宙船には目的地に行くギリギリの燃料や酸素しか積んでいない。神風特攻隊みたいなものである。コスモクリーナーを入手してもどのようにして持って帰ってくるか、というようなことは考慮されていない。
・宇宙船に密航者が現れる。なんとか命を助けたいと思うような可憐な少女である。
・しかし規則では、密航者は船外に放り出さねばならない。そんなに余裕のないことをやっているのかと思うが、前提条件だから仕方がない。
・乗務員はどうしたらいいか悩む。

まあ、いろいろな解決法が考えられる。短編だから多くの伏線は張れないし、まあアイデア勝負と言ったところだろう。
というわけで、SF作家たちはいろいろな解決法を考えている。真面目に取り組んだものからハチャメチャなものまであるが、それらを一つにまとめた本は出ていない。





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