2017年5月26日金曜日

謎の漁港で潜っていた頃

小学生から中学生の頃は夏になると海で泳いでいた。海水浴場はもちろんであるが、自転車で行かなければならず少々遠い。しかし、天は我々を見放さない。近くにも泳げる海があるのだ。もっとも、遊泳禁止区域だったが。

港の中を潜ると水が濁って前がよく見えない。船の出入り口に近づくと流れが速くなる上に船に轢かれる恐れがある。水産会社からは鰯の血が流れてきて、その中に鰯の頭も混じっている。底は膝ぐらいまでヘドロが溜まっていて、その中にワタリガニが住み着いている。不用意にヘドロの中に足を突っ込むと、ワタリガニの爪が私の足を襲う。数時間泳いでいると鰯の匂いが染みついて、必ず親に叱られる。
夕暮れは大きな太陽が美しく、それを見ていて親に叱られたこともある。


白砂青松

港の隣には砂浜がある。もちろん遊泳禁止である。下水が直接流れ込んでいるからだ。下水の反対側には下水処理場があって、そこからも水が流れ込んでいる。聞いたところによると昔は白砂青松の名所だったらしい。松はたしかにあるのだが、防波堤の内側である。ただ、私の一番古い記憶には、防波堤のない景色を覚えているので、昔はそのような景色だったのであろう。

しかし、下水をたれ流していた会社は当局から手入れを受け、下水処理場は技術の進歩によってメダカやホタルが住めるようになった。もっともメダカやホタルは住んでいない。砂浜は再生されたが、私たちは入れないようになった。ウミガメが卵を産んだからだが、よく聞くと1回来ただけらしいが。



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